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#442【あなたの金銭感覚は?】「紙の月」が韓国でリメイクされていた!日本版の映画と比べてお金の哲学を勉強できるよ!

大好きな映画「紙の月」。Netflixで韓国リメイク版が配信されていました!!!

画像引用元:Netflix公式HP

出演:キム・ソヒョン、ユソン、ソ・ヨンヒ
制作: ユ・チョンソン、チョン・ウォニ、ノ・ユンス

日本では宮沢りえが主演で話題になったお話です。日本の実話を元にした銀行横領のお話。

画像引用元:松竹公式HP

日本版「紙の月」は2024年9月時点ではAmazonプライム等でも配信中。

韓国版の「紙の月」の率直な感想は、主役のキム・ソヒョンが財閥のイメージ強すぎて、没入感に欠ける…、でした。見た目と役が合ってない、と思ったのは私だけでしょうか?
しかし、ドラマなだけあって映画とは違い、登場人物の背景が細部まで描かれていて、映画版よりは納得のいくものでありました。

あと、韓国の主婦勤務がどんなもんか分からないのですが、あんな豪邸の奥様がパートとかちょい違和感…かな?

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「紙の月」あらすじ

あらすじとしては、子供が欲しい主人公と夫のすれ違い、暇つぶしで始めた銀行のパートで、外交員として働く。金持ちでセクハラ振りかざす銭ゲバじじぃの孫と不倫がスタート。
孫の学費の借金を銭ゲバじじぃの金を横領するところから拍車がかかる。

キャラ別の個人感想

まず、このお話は登場人物全員にお金に対する「哲学」てきなものにクローズアップしているのが面白い。お金の価値が人によってこんなにも違う!と勉強になります。
原作を読んでいないので、韓国版と日本版をごちゃ混ぜになってしまいますが、登場人物を自分なりに分析してみました。

主人公:自己完結型の正義を振りかざす

学生時代からユニセフてきな募金が好きで、「施す」ことに執着している。
父親の財布からお金を盗んでまで寄付をしていた。元々いいとこの家出身なのでお金に執着はなさそうなキャラ。
困った人を助けることで(普段の小さなことでも)脳汁が出るタイプかと。


主人公に関しては、贅沢志向がなく、バランスのとれた金銭感覚。元々お金に執着していない人間性だったと思う。(育ちがよさそうなのでガツガツしていない品の良さがある。)
その理由は、自分の給料で夫とおそろでつけるためのペアウォッチを選ぶシーンで、かなり吟味し、手ごろな価格のものを選んでいる。そして夫からカルティエの時計をもらって全く嬉しそうじゃない。なんなら「私のあげた時計は?」と品物本体より、品物の背景にある意味を重視している。私なら「カルティエ~♪」となるw
横領の初手としては、彼氏が学費が払えなくて困っているのに、彼氏の祖父は有り余るお金(持っていても意味のないお金)を持っているのに貸さない=学生時代の父親の財布から盗んで募金したのと同じかな?お金は必要な人が必要な時に使うもの、使って何が悪い?という感覚だったと思う。よく分からん正義感。
そして、学費を貸す負い目を取っ払っうために、金持ちの振りをしはじめ、本来の「施す」ことが好きな彼女にとって、お金を使ってあげる事に歯止めが効かず、施しを超えた貢ぎになっている、という滑稽さ。
ただ、主人公自らの服装も垢ぬけていくあたり、まだまだ女として輝きたい!という感情もあったハズ。その狭間で揺れ動く女心もあったのではないか?
ただ、離婚など検討しないあたり、彼氏にたいして本気の恋愛感情というより欲求不満解消の相手?なのか?

主人公の夫:モラハラの原因は劣等感

ある程度の年収はある仕事人間で、分かりやすいほど男尊女卑。その裏には劣等感ではないか?劣等感強めの人にありがちな典型的タイプで、ブランド品には金を出します。金を稼ぐ=正義であり、嫁の気持ちは二の次。
「いい仕事してる俺」「出世して稼げる俺」に脳汁が出るタイプかと。


映画版では、軽いモラハラで主人公に興味あんのかないのかよく分からんキャラでしたが、韓国版の夫はすごかったな。
「誰の金で飯食ってんだ感」がすごいし、妻の価値観全否定。出世の手伝いになる事があっても感謝しないし、仕事の成績がすごくても褒めないし。実は育ちのいい妻に対しての劣等感から来るもの。女性からみたら、俺様感出す人って「俺、劣等感あります!」って言ってるようなもんなのに分かってないあたり滑稽ですよね。
しょーもないプライドに執着した典型的なモラハラ男代表でした。
(「俺の嫁が不倫なんてする訳ない!」って言ってる割には、急に不信感丸出しになるのも滑稽でした。)

主人公の彼氏:大事な時期に贅沢の沼に落とされた犠牲者

普通の大学生で主人公に一目ぼれ。実は、大学費用が払えなくてサラ金から借金して返済していた。銭ゲバじじぃは貸してくんないし、捨てられた子犬感がうまいキャラ。


主人公に一目ぼれして最初は本当に好きだったのかもしれないが、主人公から貢がれることで贅沢に慣れ、贅沢に溺れる。学費の肩代わりも最初は拒否して「これ受け取ったら関係変わっちゃうかもしれないよ?」(←映画版のセリフ)って言えるあたり、誠実ではあったし、途中まで主人公に返済していた借金も、だんだん途絶えてい歪んだ性格になってしまったのではないか?
人としての成長過程の大事な時期に、成金てきな贅沢を経験したばっかりに…ある意味犠牲者では。

彼氏の祖父(主人公の担当顧客):銭ゲバ

主人公の銀行の顧客で彼氏の祖父。絵にかいたような銭ゲバじじぃ。家族とはいえお金の境界線は厳しく引く、高慢で金の魔力にどっぷりつかっている老人。その年齢でお金貯め続けてどーすんの?と思ってしまうくらい執着心が強いので家族からも孤立している。


映画版では、何をして稼いでいるのかわからない庶民派レベルの金持ちじじぃだったので、性格も悪い典型的なキャラでした。セクハラもすごいが、主人公が切羽詰まったときに色仕掛けしたときの反応が「え?」みたいな反応で、こっちが「は?」だわ!!!w

ドラマ版では、悪徳金融で莫大な財産がありそうな気配。
主人公の偽造書類にあえて目をつぶって、あとから利用するあたり流石!それくらいないと今に地位確立できなかったよね?
マネロンでブラックなお金なのに孫の学費くらい横領してもええやろ!という主人公の心境は観ていても賛成できるけど、自分の分は自分で稼げ!って男としては当たり前で、そういう面では孫の教育としては合ってたんじゃないかな?主人公は与えてダメにしたからね。

ドラマのみ登場 節約家の友人:墓穴堀りゲーム

とりあえず生活のモットーは節約!捨てるものはない!プライドより節約!
他人が捨てた子供服をゴミ置き場でもらう、パーティ後の残飯を持ち帰る、と度を超えた節約家。


節約の理由は、自分と夫の両親のため、と理由を知った夫は感動するが、子供がゴミ服の元持ち主の同級生にバカにされるのとかかわいそうだな、とは思ったが、娘も電気代節約!とパパを注意するあたり制裁教育済なのでいいかなw。
未来のことに目が行き過ぎて、今を犠牲にしている感じが、良いのか悪いのか?
エアコン代ケチって風邪引く=やり過ぎだろ!
贅沢し尽して病院代ない=貯めとけよ!
って極端は良くないけどそのバランスが難しいよね…。

ドラマのみ登場 浪費家の友人:満たされない代表

1シーズンで服を買い替えるくらいの浪費家。バリバリのキャリアウーマンで、トレンドに敏感。カードの限度額は常にギリギリで、稼ぐけど出費も同じくらいなのかな?元夫との間にいる娘にプレゼントすることで母親の務めを果たすしかないがいずれ金ズルにされるという不幸が。


ブランド主義の人の特徴として、満たされない感が強い傾向があるような気がします。
ま、広告代理店のような華やかな世界で仕事をしていると、身なりもそれなりに…という感じかと思いますが…。自分の娘に会える時間でできる事と言えばお金を使うことでしか愛情表現ができない、というのもありますが、部下への気前いい上司っぷりからして、誰にでも金を振りまくことでしか表現できないのかな?という印象。
結果、学生には高すぎる商品をせびられることになりただの財布係、となってしまう。
これもバランスが必要ですね。本当の金持ちは銭ゲバじじぃのようにセコイですからw

主人公の担当顧客(アルツハイマー):ただ寂しい

金はあるが、謎の高額商品をだまされ買うしか楽しみのない老女。だんだんとアルツハイマーが進行するので主人公の横領にはもってこいのカモになるが、症状があったりなかったりでドキドキさせられる。


地主てきな稼ぎなのか、一人暮らしの老人で、訪問販売か何かで意味不明な商品やニセモノなどを買うしか楽しみがない生活。やはり金だけでは満たされない、というのが顕著に表現されています。アルツハイマーも進行すれば、赤の他人に世話をしてもらう未来だと、主人公のように利用する人が続出しますが、孤独をお金で解消できるならこの老人にとっては幸せでもあるのかな?

主人公の同僚(ベテラン):AIのようで息が詰まる

教科書を人間にしたらこんな感じかな?という銀行歴の長い窓口業務のスペシャリスト。
社員の行動にも鋭い視線でチェックしている。横領を発見した人物。


中年の独身女性で、仕事にしか自分の世界がないようなキャラ。しかし、それも自分で抑制して作った人生。主人公の監視をする傍ら、どこか主人公のようなハラハラドキドキする世界に憧れがあるんだろうな。このようなタイプはまっすぐに生きてきた分、恋愛に溺れる可能性が大きいので、主人公と違うのは、溺れるパートナーに出逢わなかっただけ、という考え方もできますね。

ドラマ版 主人公の同僚(若手女子):心にポッカリ穴DV犠牲者

韓国版ではDV彼氏の金ズルになっている若手女子社員。DV被害を分かりやすく受けていて、捨てるだけの破損紙幣に手をつけていた。額は違えど一応主人公と同じ横領。主人公のマザーテレサぷりを利用して共犯する場面も。


とりあえず、かわいげがない。主人公に憧れを感じているけど自分なりのプライドなのか、主人公に助けてもらっても感謝の言葉もなく知らんぷり。まったく懐かない猫のよう。
しかし、DV彼氏に殺されそうなときは、主人公の不倫現場の写メ(実は旦那との写メ)を餌に助けを乞う。この感じも「素直になれよ」と痛々しい。実は、アルツハイマーの老人の世話をしていた、という優しい女の子で、もっと素直さを出していればかわいがられるタイプなのにな…と。にもかかわらず、絶賛かわいげゼロで、主人公の横領を共謀w

映画版 主人公の同僚(若手女子):人生楽ゲー旧・港区女子

日本版では課長と不倫しながら要点はつくちゃっかり女子。横領事件発覚前に、田舎の公務員との寿退社で巻き込まれないタイミングも用意周到な感じ。


今の時代なら、兼業パパ活女子、といったところでしょうか。
本人が言っていた「ありがち」な状況が似合う若手女子。こういう女子の場合、同世代が憧れるブランド品を買ってもらったり、いいレストランで食事ができたり、と一応雑誌のような体験はできているのですが、実際どうなんですかね?
これまた主人公のように着飾って贅沢をしていても、どこかしらけた感情がありそうで、後々不倫しそうな匂いがプンプンしますねw

映画とドラマでは登場人物も違いますが、大まかにこんな感じ。
ドラマの方が時間が長いので完全に心情を把握したい場合はドラマのほうが原作に忠実です。

「紙の月」個人的感想

一言で感想を言うなら、「お金もバランスが大事だな」という事。
環境や付き合う人によって、お金の使い方・考え方は様々。どれが正しくてどれが間違っている(横領は犯罪ですw)いるとは言い切れない。
「じじぃ」と「節約家の友人」の場合、「お金を貯める」ことが信念の場合、他人の目線を気にせず振り切って目標に向かっているので、ある意味幸せ。

主人公は、施しに徹することで脳汁が出るし、マヒして犯罪にまで発展したあたり、人並外れたドップリ脳汁が出たと思うので、一度きりの人生を一瞬でも堪能したから幸せ。

上記以外の登場人物は、極端ではないからこそ出来上がってしまう「心の隙間や闇」のようなもの。抑制とフラストレーションの狭間を生きているように思える。脳汁は微量。
だから中途半端だし、つまらないし、満たされないし、メディアが作った「幸せのカタチ」を鵜呑みにしてしまう。ないものねだりです。

「お金で買えないものもある」という言葉は、金持ちになった人しか使ってはいけないセリフらしいですがw、がむしゃらに没頭できる何かがある人が一番幸せそうで、純粋にうらやましく思えます。

今回はお金をテーマに登場人物ごとのショートストーリーを観れた感じがしました。
普段、ポイントやお金に関わる記事をupしていますが、それにまつわる面白い映画だったので、皆さんも他人の話を観て、客観的に自分を見つめる機会をとってみては?

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