「何かの案をカタチにしたい、でも資金がない…」
会社であれば銀行に借入すればいいことですが、個人で進めるにはお金を貯めるしか道がありませんでした。
アイディアが成功するにはタイミングも重要です。「今すぐじゃないと!」「1年後じゃ意味がない!」で、もったいない思いをした人も多いかと思います。
そこで、最近よく耳にする「クラウドファンディング(通称:クラファン)」の登場です。
たしかに耳にはしますが、実際のところどういうものなのか説明しろ、といわれても「一般の人からお金を集めてやりたいことを実現する」止まりです。
起案者目線の「お金を集める」の視点と、支援者目線の「投資で稼ぐ」の両支点でメリット・デメリットがあります。よく知らないで始めてしまうと、自分の信用にも傷がついたり、出資で損するリスクもあります。そこで、今回はザックリとしかわかっていない「クラウドファンディング」について調べてみました。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金を供給する)」を組み合わせた造語です。
プロジェクトをやりたい人(プレゼンター/起案者)、プロジェクトを支援したい人(コレクター/支援者)、両者をつなぐプラットフォーム、の三者が存在し、インターネット上で、プロジェクトに対してのお金が動きます。
資金を集める方法としては「寄付」「交換」「融資」など様々なものがあります。大きくは「投資型」「非投資型」に分かれ、そこからまた細かく種別が分かれます。
現在、クラウドファンディングのニーズは高まり、規制緩和も受けて種類も多様化し、市場規模は年々拡大しています。起案者は、不特定多数から集めたお金があればプロジェクトを進行できるメリットがあり、支援者は見返りとして商品やサービス・現金配当を受け取ることができます。
ざっくり言うと、「銀行」や「株式投資」などのお手軽版ですね。「モノやサービスを作りたい」「世の中の問題の解決方法」といった小さなアイデアでも“起案者”として発信でき、それに対し「試してみたい」「応援したい」と思った人は“支援者”となれる、双方の手軽さがクラウドファンディング最大の特徴といえます。少額をたくさんの人から集められ、企業とは違う「柔軟性」や「テストマーケティング」にもこの「手軽さ」が人気の理由です。
資金調達としてのクラウドファンディング
クラウドファンディングを「資金調達」という視点でみると、プラットフォームを通して少額を多くの人から集められるので、手軽に始めることができます。
投資としてのクラウドファンディング
クラウドファンディングを「投資」という視点でみると、未上場企業発行の株式やファンドに投資することもできます。なので、預金より高い利息や分配金のリターンを狙うこともできます。将来性のあるベンチャー企業も多いので将来性がありますが、元本割れ・倒産などのリスクは上場企業よりも高くなるので、クラウドファンディング投資をしっかり把握して選ばないといけません。案件ごとに詳しい商品内容や担保・保証の条件なども公開されています。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは大きく分けて「投資型」と「非投資型」にわかれ、さらに「融資型」「ファンド型」「株式型」「購入型」「寄付型」とわかれます。
この中で広く知られているのは購入型や寄付型のクラウドファンディングですが、。市場規模という点では融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)が大半を占めています。
非投資型クラウドファンディング
非投資型には大きく「購入型」「寄附型」の2種類があります。
① 購入型 |
【代表的なプラットフォーム】MOTION GALLERY、CAMPFIRE、Makuakeなど。 |
コレクターが商品の開発などに必要な資金をもらう代わりに、出来上がった商品等をリターンとして受け取れるという仕組みです。一般的な「クラウドファンディング」のイメージはこの種別が多いです。 |
② 寄付型 |
【代表的なプラットフォーム】Readyfor Charityなど。 |
災害復興や難民救済などボランティア活動などにかかる費用などを寄付する仕組みです。 基本リターンがないものが多いですが、写真や手紙などのリターンがあるものもあります。 |
投資型クラウドファンディング
投資型には大きく「融資型」「ファンド型」「株式型」があり、それぞれの概要は以下の通りです。
① 融資型 |
【代表的なプラットフォーム】オーナーズブック/SBIソーシャルレンディングなど。 |
融資先が同じ資産家と資金を出し合い、大口化してコレクターに融資する仕組みです。(ソーシャルレンディング)イギリスでは2016年にISA(個人貯蓄口座)の投資対象になり、ソーシャルレンディングが株式や投資信託と同じように利益を生む投資対象として認められたのです。 |
② ファンド型 |
【代表的なプラットフォーム】セキュリテなど。 |
プラットフォームが特定の事業に対して個人投資家から出資者を募る仕組みです。出資者は、売上等の成果や出資額に応じた金銭的なリターンを受け取る事ができます。 |
③ 株式型 |
【代表的なプラットフォーム】FUNDINNO、GoAngelなど。 |
主に非上場企業株の株式に投資することができる種別です。上限は50万円。 |
詳しい種類別の特徴やメリット・デメリットをまとめた記事はこちらから
↓↓↓
クラウドファンディングの当初元本決済方法
クラウドファンディングの決済方法には、次の2つがあります。
All or Nothing オール・オア・ナッシング方式 |
All or Nothing方式は、事業者が設定した資金調達目標額に達しなかった場合、資金調達者(プロジェクト起案者)に資金が渡されずキャンセルされます。例えば100万円設定で98万円が集まっても、100万円に達していないので1円も受け取ることができません。店舗設計や商品開発など、目標金額を達成しないと実行できないプロジェクトに多く見られます。「プロジェクト達成の日」が決済日になる場合と、「クラウドファンディング期間終了日」後に決済になるが場合があります。 |
All in オール・イン方式 |
All in方式は、資金調達目標額を下回った場合でも、資金が渡されるタイプです。一人でも支援者が出ればプロジェクトの成立が認められます。掲載時にプロジェクトの実施を確約する必要があるので、募集開始のときに、すでにプロジェクトやリターンが実現可能なものが対象となります。支援者が申し込みを終えた時点で決済が完了します。 |
国内のクラウドファンディングの市場規模
2018年におけるソーシャルレンディングの市場規模は、約2,044億円となっています。日本国内は購入型クラウドファンディングが有名ですが、市場規模では貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)が9割を占めています。2017年における国内ソーシャルレンディングの市場規模はほぼほぼ貸付型が独占しています。
海外のクラウドファンディング市場規模
クラウドファンディングの海外におけるクラウドファンディング市場規模は、2015年のグローバルにおけるクラウドファンディングの市場規模は3兆4,000億円(1ドル100円計算)。そのうち購入型や寄付型のクラウドファンディング(Reward and Donation Crowdfunding)は5,500億円で、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)に該当するものとしてP2Pレンディングのグローバル市場も掲載されていて、2兆5000億円です。(CROWDFUNDING INDUSTRY調べ)
クラウドファンディングの歴史
クラウドファンディングという言葉自体は比較的新しいものの、不特定多数から資金を募ってプロジェクトを進行するということ自体は昔から存在します。
概念としてのクラウドファンディングの歴史は長く17から18世紀と言われ、最も有名な自例は、アメリカ合衆国の「自由の女神」です。1884年、自由の女神の像の台座用の資金が底をついてしまったとき、新聞出版者のピューリツァーが、新聞で資金を募り10万人超の国民から10万ドルを集めることができ歴史上の大規模クラウドファンディングとなりました。近年でクラウドファンディングが世界的に認知されるようになったのは、2008~2009年にかけてアメリカのINDIEGOGO(インディゴーゴー)やKickstarter (キックスターター)といったインターネットのプラットフォームが登場してからです。
日本では、2011年3月にReady for(レディフォー)が初めて非金融系のクラウドファンディングを開始して認知度が広がりました。その後、2015年に金融取引としてのクラウドファンディングができ、ファンド募集も可能になりました。
クラウドファンディング実施の流れ
基本的なクラウドファンディングの流れは、先に紹介した分類に限らず共通しています。ここでは、起案者と支援者それぞれの流れを簡単に説明します。
起案者の場合
① 掲載したいクラウドファンディングサイトに登録
② クラウドファンディングのプロジェクトページを作成
③ ページ完成・審査通過後、公開して資金調達をスタート
④ 募集期間中はプロモーション活動してプロジェクトページを拡散
⑤ 集まったお金でプロジェクトを実行
支援者の場合
① クラウドファンディングサイトでプロジェクト選ぶ
② プロジェクトページの内容やリターンの詳細を確認
③ 募集期間内にクラウドファンディングサイト上で支援(決済)
④ 募集期間終了後、活動報告でプロジェクトの進捗を確認
⑤ リターン予定通を確認
起案者はクラウドファンディングサイトの検討が重要になります。サイトによって支援の集まりやすいプロジェクトテーマが異なるため、自分のプロジェクトとの相性があります。支援者は、プロジェクトの内容・リターンをしっかりと確認することが重要です。また、支援者と同じくどのサイトにどのようなテーマのプロジェクトが多いのかを確認しておくと、応援したいプロジェクトに出会いやすくなります。
クラウドファンディングのメリット
個人や企業、団体が資金を集める方法として利用されるクラウドファンディングは「起案者」「支援者」双方のメリットをみてみましょう。
起案者のメリット
起案者のメリットとして、金融機関やベンチャーキャピタルからの出資が難しい案件でも、クラウドファンディングで資金調達できるのでビジネスをスタートしたり、今までは埋もれていた夢や目的を実現できます。また、種類によっては支援者のリターンを現金以外にも設定できます。購入型クラウドファンディングではモノやサービスをリターンにできます。また、寄付型クラウドファンディングでは、リターンを設定しなくても他人を支援できるようになります。融資型や株式型クラウドファンディングでも、これまでの資金需要が満たされなかった事業者が投資家の力によってさらなる事業チャンスを掴みとることができます。
また、市場に製品が出回る前にユーザーの反応を知ることができるのでテストマーケティングの場として活用することもできます。
支援者のメリット
クラウドファンディングは、国債や銀行預金を上回る利回りが期待できます。また、起案者のSNSの発信や活動報告を見ることで、プロジェクトの仕組みを確認できます。
クラウドファンディングでは、プロジェクトの公開前に利用サイトの審査があるので、透明性のあるプロジェクトが公開されています。起案者のプロジェクトページやSNSでの活動報告を見ることで、一般的な通販サービスより、作り手の顔が見えるのでプロジェクトの成功まで物語を共感できる投資ができます。
トラブルでリターンが提供されないというリスクに対応するため、CAMPFIREでは「クラウドファンディング保険」というサービスを提供していたりするので安心してプロジェクトを実行・支援できる環境が整備されています。
金銭から商品など様々なリターンがある
クラウドファンディングによってメリットがあるのは、プロジェクトの起案者だけではありません。出資を行う側にも様々な形のリターンがあります。
例えば、購入型クラウドファンディングの場合、自分の欲しい商品やサービスを商品化される前に得ることができたり、特別な待遇を得ることができます。融資型クラウドファンディングの場合は、金銭的リターン(利回り)を期待できます。
5%~8%程度の利回りも狙える
東証一部の株式平均利回り(単純利回り)は約2.16%(2020年5月末)ですが、2020年時点の融資型クラウドファンディングの利回りは約5%~8%で、定期預金や個人向け国債と比べて高い水準です。案件によっては10%以上の利回りのものもあります。さらに、株式型の場合なら未上場企業がIPOやM&Aを実現すれば、投資回収の機会があります。証券取引所に上場すると株を自由に売買できるようになるので、企業価値に応じた売却益を期待することができます。
少額で始められる
投資型クラウドファンディングでは1万円で投資を始められるのも特徴です。最低投資金額は各プラットフォームや案件で異なりますが、基本的に少額で参加できるよう低めに設定されています。株式投資や不動産投資ではある程度の資金が必要なので簡単に投資できないですが、投資型クラウドファンディングでは少ない資金で未上場企業の株主になれたり、将来性のある事業を応援したりできます。プラットフォームにより異なりますが、入金時以外の手数料がほとんどかからないタイプもあるので、運用資金が少ない場合でも手数料を気にすることなく始められます。
運用の手間が少ない
株式投資やFX投資の場合、投資対象となる株価や為替の動向を頻繁に確認しないといけないので手間がかかりますが、投資型クラウドファンディングの運用は手間がかかりません。案件を選んで入金した後は、分配金や配当金を待つだけです。例えば融資型なら利子や元金返済、ファンド型や株式型では配当金などが入ってくるので、ほったらかしで運用ができます。
社会貢献に繋がる
案件にもよりますが、クラウドファンディングでは社会貢献できるプロジェクトに応募できるので、企業を応援しながら社会貢献ができます。例えば、災害復興プロジェクトや、世の中のためになる製品開発事業、途上国の貧困や環境問題の案件などがあるので、投資家として間接的に社会貢献活動に参加できます。「社会の役に立つ投資がしたい」という人にもおすすめできる投資方法です。
クラウドファンディングのデメリット
一方、今までの資金調達方法とは異なるデメリットもいくつかあります。
起案者のデメリット
金融機関の融資は1カ月ほどで実行されますが、クラウドファンディングの実施方式によっては、目標金額に達しない場合に資金調達できない可能性があります。クラウドファンディングを始める前に、プロジェクトが成立する可能性、成立させるための支援の見込み、他の資金調達方法など事前に調べておくことが大切です。
支援者のデメリット
金融型クラウドファンディングは元本が保証されていません。金銭的リターン(想定利回り)だけに注目せず、出資先の事業内容やクラウドファンディング事業者の信用リスクなどの下調べが必要です。非金融系でもリターンとしてモノやサービスが届かないこともあるので注意しましょう。
必ずしも成立・成功するとは限らない
資金募集されたプロジェクトが必ず成立するわけではありません、プロジェクトが成立しても頓挫してしまう可能性もあります。
頓挫しても、資金を返してもらうということは基本的にはできません。不成立や頓挫のリスクも考慮しておきましょう。
悪意を持った利用者の可能性
各種クラウドファンディングの仕組みを知った上で、悪意のある利用者が現れる可能性もあります。購入型や寄付型クラウドファンディングでは、集めた資金が全て正しく使われているか詳細に確認することは難しいです。クラウドファンディングの仕組みを利用した詐欺もゼロではないので注意しましょう。
基本的に支援額、出資額のキャンセルはできない
クラウドファンディングサービスの種類によりますが、一度支援や出資をした後に資金の引出しは難しいです。
投資型クラウドファンディングでは、基本的に投資したあとは途中のキャンセルができません。案件ごとの運用期間は、分配を受けながら運用の終了を待つしかありません。出資した案件で不足金が発生し成立に時間がかかっている場合の出資金も束縛されるので、途中で引き出すことはできません(案件不成立時には返金されます)。一度投資したお金はすぐには手元に戻らないというリスクをふまえて事前によくよく考えてから支援・投資を実行しましょう。
元本保証無し・貸倒れ等が発生する可能性もある
投資型クラウドファンディングでは、基本的に元本は保証されていません。未上場企業やファンドなので、上場企業よりも倒産や貸し倒れなどが発生するリスクは高いです。融資型の利子、ファンド型・株式型の配当も投資先の業績や事業の進捗具合では分配されない可能性もあります。新規性が高く挑戦的な事業のプロジェクトは、プロジェクト自体が開始することなく頓挫するケースもあります。その分、5~10%の高利回りとなっている側面があります。
海外案件の場合は、満期を迎えても為替の影響で元本割れが生じることもあるため、為替ヘッジの有無にも注意しましょう。プラットフォームや案件によっては、担保になる不動産の設定や、優先/劣後出資などリスクを回避するための仕組みがあるので、実際に投資をはじめる前に、慎重に検討することが大切です。
換金性・流動性が著しく劣る
店頭有価証券(未上場会社が発行する株式)は、証券取引所で売買ができないので、換金するにはIPOで市場で売却するか、M&A等で株式を買い取ってもらうしかありません。譲渡制限付きの場合は、売買をしても発行者が権利の移転を認めない場合もあります。他にも、融資型等の場合には運用期間が数ヶ月~3年の設定があり、その間の途中解約はできないのもデメリットです。
応募が殺到する
投資案件の応募が殺到した場合、募集に間に合わないことがあります。特に注目企業の新規事業や高利回りが期待できる案件では、募集が始まってスグ締切になることもあります。応募自体は各プラットフォームから簡単にできますが、人気の投資案件の募集開始日(時刻)はクリックの早もの順になるので注意しておきましょう。案件の募集が行われる前に情報が公開されているので、事前に情報収集をして、募集が始まったらすぐに応募できるように、会員登録や口座への入金は済ませておきましょう。
短期的な利益を得にくい
クラウドファンディング投資は、数ヶ月単位で運用しないと利益がでません。そのため、株式トレードやFXの短期売買による投資と違い、短期的に大きな利益を得ることが難しいというデメリットがあります。また、信用取引などによるレバレッジもないので、自己資金で投資金を準備しないといけません。
クラウドファンディング投資をするときは、余剰資金で生活に影響のない範囲で運用しましょう。
クラウドファンディング投資ができるサービスは?
クラウドファンディング投資で注目されているプラットフォームを紹介します。参考にしてみてください。
CRE Funding
CRE Fundingは、東証1部上場企業の㈱シーアールイーが案件を構成、ソーシャルレンディングプラットフォームの販売・運営事業を手掛ける㈱FUELが運営をしています。東証1
部上場企業が直接運営に携わっているソーシャルレンディングサイトは、CRE Fundingだけなので、信頼性は高いです。
㈱シーアールイーは物流不動産専門の不動産会社で、CRE Fundingの案件は物流不動産に関連です。
CRE Fundingの利回りは2.5%~3%程度と他サービスと比べてやや低めですが、その代わりに、投資家の資産を守るために㈱シーアールイーによるマスターリース( 不動産を一括
で借り空室の有無にかかわらず毎月定額の賃料を支払う)と保証があります。
マスターリースとして㈱シーアールイーが借り受けた時点で、一定の家賃の支払いが契約に入っています。また、物件の売却時に投資家から集めた元本の総額に達しなかった場合、
不足分は㈱シーアールイーが保証します。ただし、㈱シーアールイーが倒産すると保証もなくなるので、投資する前は必ず案件ごとに慎重に検討しましょう。
SBIソーシャルレンディング
SBIソーシャルレンディングは、SBIホールディングスに属するソーシャルレンディング会社です。国内ではmaneoに次いで2番目に古く、2018年の実績でクラウドファンディング市場においてトップシェアを獲得(富士キメラ総研調べ)し、2020年3月末時点での融資残高は421億円です。1案件あたりの募集金額が5億円超の大規模な募集が多いにもかかわらず、わずか十数分ほどで投資上限金額に達してしまうこともあり、投資家の間で非常に人気のある会社です。扱う案件は不動産開発案件・太陽光発電案件・カンボジア技能実習生向けの案件など、多種多様です。
不動産担保付き案件で貸倒れの過去がありますが、回収率は90%近くでした。安心と信用、実績がありトラブルの対応力は大手ならではです。利回りは5~7%程度の案件が多めです。
ファンディーノ
日本クラウドキャピタル社が運営する「ファンディーノ」は、株式投資型のクラウドファンディングプラットフォームです。ファンディーノでは将来性のある未上場企業の店頭有価証券に1万円から投資できます。ファンディーノの店頭有価証券は普通株式とファンディーノ型新株予約権(当該発行会社の株式の交付を受けることができる「権利」)になります。投資した企業が成長して株式公開や事業売却できれば、大きなリターンの可能性があるので、新株予約権は人気があります。また、優遇税制(エンジェル税制)が利用できる案件では節税効果が期待できます。ほかにも株主優待が得られる案件もあります。ちなみに、ファンディーノの年間投資上限金額は1社当たり50万円です。
最低投資額は案件により異なり、最も少額タイプで1万円、ほかに10万円コース、25万円コース、50万円コースもあります。
クラウドファンディング投資の始め方
①会員登録・口座開設方法
プラットフォームを選び、そのサービスに会員登録して、クラウドファンディング用の専用口座を開設します。サービスによっては、会員登録のときに投資家に一定の条件を要求する場合があるので事前に確認しましょう。会員登録や口座開設の際は、個人情報や本人確認ができる顔写真付きの身分証明書が求められます。会員登録はインターネット上で手続きが完結するので簡単ですが、審査や口座の開設手続きに1~2週間ほどかかる場合もあります。
②投資する案件を選ぶ
会員登録が済み、口座開設が終わったら、投資する案件を選んで実際に投資を始めましょう。各案件に、利回り・運用期間・リスクなどの情報も詳細に記載されています。クラウドファンディング投資が初めての場合、利回りの高い案件はリスクも高いので注意が必要です。また、運用期間の短い案件のほうが貸倒れ等のリスクが低いので、慣れるまでは短期の案件から選ぶと良いです。実際に投資を行う場合、開設した口座に必要資金を入金する必要があるので、投資したい案件の応募が始まる前に入金は済ませておきましょう。
まとめ
今回はクラウドファンディングの仕組みやメリット・デメリットについて調べてみました。クラウドファンディングといえば、購入型クラウドファンディングが一般的なイメージですが、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)や株式型クラウドファンディングについては初耳だったという人も多かったと思います。
クラウドファンディング投資は将来性のあるベンチャー企業の株主になれたり、高い利回りのリターンが狙えたり、社会貢献につながる事業を応援できたりします。
そして、ベンチャー側はクラウドファンディングの登場によって新しい資金調達が可能になりビジネスチャンスが拡大しました。支援者は金銭的なリターンを目的の人が多い市場ですが、起案者の思いや目的に共感して支援できるというのも大きな特長です。クラウドファンディングの市場規模は融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)をメインでこれからも成長していくビジネスでしょう。