仮想通貨

#462【仮想通貨の種類】レイヤー2とは?基本用語もわけわからんのでカテゴリー別に調べてみた!

前回投稿のつづき、今回はレイヤー2の説明になります。
冒頭の説明はレイヤー1の記事を参照してください。

#461【仮想通貨の種類】レイヤー1とは?初心者が購入の際に必要な各コインの詳細をわかりやすくまとめてみた!2024年トランプ大統領選からスタートした仮想通貨バブル中、今から仮想通貨を始めよう!という人も多いかと思います。 で、個人的にもよく...
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【最初に】レイヤー2の説明の前に!基礎知識

これからいろんな専門用語が飛び交うので、先にまとめておきます。

そもそも仮想通貨の「ブロックチェーン」とは

仮想通貨でのブロックチェーンとは、データを管理する技術です。
あなたが、仮想通貨取引所で購入・売却した「いつ、だれが、どこに、いくら、送金した」などの取引内容。
この取引データをブロックにして、つなげた(チェーン)ものがブロックチェーン。

トークンとは?

ブロックチェーンを利用して新しく発行された仮想通貨。

「オンチェーン」と「オフチェーン」とは

まず、「オンチェーン」とは、ブロックチェーンを使った処理で、取引内容はすぐにブロックチェーンへと記録され、改ざんが困難な状態になります。

「オフチェーン」とは、ブロックチェーンを使わない処理で、取引はすぐにブロックチェーンへと記録されず、ほとんどがサービス提供者の管理する内部のデータベースに記録され、データベースの管理者が不正などを行えてしまう状態になります。

スケーラリビティ問題とは

改ざんされる可能性があるなら、全てオンチェーンでやれよ!って話ですが、ブロックチェーンには「スケーラビリティ問題」というものが存在します。仮想通貨におけるスケーラリビティとは、例えば1秒あたりに処理可能な取引件数を指します。

1秒間の取引処理件数
ビットコイン
(BTC)
7
イーサリアム
(ETH)
15
ポリゴン
(POL)
7,000
ソラナ
(SOL)
50,000

仮想通貨取引所では、全世界の人が取引するので、1秒間に大量の取引が実行されます。

上記の表でもわかるとおり、イーサリアム上で処理できるのは15件、これでは全世界のの取引は処理できない…。全て処理するには、スケーラビリティ問題を抱えるオンチェーン(ブロックチェーン)では対応できない…となります。そのため、ほとんどをオフチェーンで処理し、まとめてオンチェーンに記録する、という仕組みを採用しています。
他にも、ブロックチェーンに記録された情報は改ざんが難しいというメリットですが、誤情報をオンチェーンに記録してしまうと消すことは困難なためデメリットにもなります。
こういう理由から、全ての処理をオンチェーンで行わずに、オフチェーンを組み合わせる方法が一般的となってきました。

仮想通貨のカテゴリー

で、調べていくといろんな業種の会社がコインを発行していることが分かります。
いろんな業種なので、コインのカテゴリーももちろん分かれることになります。
カテゴリーの一部を抜粋すると…

詳細
レイヤー1 ブロックチェーン
レイヤー2 ブロックチェーン以外のオフチェーン
DeFi系 分散系金融関連
NFT系 NFTプロジェクト関連
meme系 SNSで人気のキャラクター関連
メタバース系 メタバース(ネット上の仮想空間)関連
AI系 AIの技術を活用のプロジェクト関連

これは1個にカテゴライズされるわけでもなく、〇○型であり〇○型でもある、というふうに重複するものもあります。

レイヤー2の仮想通貨

冒頭で説明したとおりですが、「レイヤー2」とは、イーサリアムなどのブロックチェーン(レイヤー1)と、独自ブロックチェーン(レイヤー2)を接続することにより、イーサリアムなどの機能拡張を利用し、レイヤー1の上に構築される追加のプロトコルやネットワークのことです。レイヤー2の主な目的は、

・取引の速度を速くする
・手数料を減らす
・スケーラビリティ問題の解決

です。レイヤー2では、多くの取引をオフチェーンで処理し、その結果をまとめてレイヤー1に記録します。(イーサリアムの「Optimistic Rollups」、ビットコインの「Lightning Network」など)レイヤー2の存在により、私たちはより迅速で安価に取引を行えるようになり、ブロックチェーン全体の効率が向上します。

もっと分かりやすく説明すると、、、

前回投稿した「レイヤー1」は、ブロックチェーン自体の「基盤」となる層のことを指します。わかりやすくいうと、家でたとえると「土地」にあたります。土地(レイヤー1)の上に家(アプリケーション)を建てるように、レイヤー1は、その上でいろいろな機能やサービス(分散型アプリケーション、スマートコントラクトなど)を動かすための「土台」となる基本的なネットワークです。

「レイヤー1」のイーサリアムというプラットフォームの土台があって、イーサリアムの土台を借りて、他の仮想通貨のプラットフォームも置けます。
そのため、土台となるイーサリアムで使われる仮想通貨=ETH(イーサ)は「レイヤー1」、イーサリアム上で作られた他の仮想通貨は「レイヤー2」とカテゴライズされます。

もっと分かりやすく言うと、イーサリアムという会社(ビル)があって、「広いから他の会社も使っていいよ」って話で、間借りするイメージでしょうか。トイレもエントランスも電気や水道もイーサリアムが提供しているものを使う、けど事業は別ですよ、って感じですね。

銘柄 詳細
レイヤー2
POL
(ポリゴン)
ブロックチェーンプラットフォーム
(イーサリアム上)
ARB(Arbitrum) ソリューション開発のプロジェクト
(イーサリアム上)
MNT(Mantle) 「Mantle Network」を展開するプロジェクト
(イーサリアム上)
OP(Optimism) 非営利団OptimismFoundation
(イーサリアム上)
STRK
(Starknet)
イーサリアムのスケーラビリティを向上させるレイヤー2ソリューション
イスラエルの企業であるStarkWare Industriesによって開発
(イーサリアム上)

はい、では各仮想通貨の特徴を説明してみようと思います!

POL(ポリゴン)/旧MATIC

名称 POLトークン
シンボル
通貨単位
POL
(旧:MATIC) 
用途 ガバナンス投票
ステーキング
取引手数料の支払い
価格 ¥90.31/ARB
2024年12月17日時点
時価総額 ¥757,056,337,678.42
2024年12月17日時点
取扱い Binance Japan
Bitbank
コインチェック

ポリゴンは、イーサリアムのレイヤー2プロジェクトです。Polygon Technology社が開発した独自ブロックチェーン上のネイティブトークンが「POL」です。当初トークンの名称はMATICでしたが、2024年9月にPOLに変更しています。移管猶予は4年あるみたいなので、表記がMATICのままである可能性があります。
ポリゴンは、数あるレイヤー2プロジェクトの中で最も成功しているプロジェクトの一つであり、特にNFTの分野においては主要な基盤ブロックチェーンとしての地位を確立しつつあります。

Polygonの公式によると、イーサリアムは1秒間に15件ほどしかトランザクション(取引)を処理できない一方で、Polygonでは1秒間に最大で7,000件も処理でき、ネットワーク手数料(ガス代)についても、イーサリアムと比較して1万分の1程度の支払いで済みます。

高速・低コストで利用できるPolygonの環境を求めて、例えばUniswapなど、イーサリアムからPolygonへの移植(コピー)がおこなわれたプロダクトも多く、2023年には、Polygon上では3万7,000種類を超えるDApps(分散型アプリケーション)が稼働していて高い有用性があります。

ARB(アービトラム)

名称シンボル
通貨単位
ARB
用途 取引手数料の支払い
ガバナンス
インセンティブ
価格 ¥142.88/ARB
2024年12月18日時点
時価総額 ¥601,591,527,052
2024年12月18日時点
取扱い bitbank
OKJ

アービトラムは、イーサリアムのレイヤー2プロジェクトです。イーサリアムの速度、拡張性、コスト効率を向上させることを目指し、計算やストレージの負荷のほとんどをオフチェーンに移行することで実現しています。

アービトラムでは、「Arbitrum One」と「Arbitrum Nova」と2種類あり、利用目的がそれぞれ異なります。
Arbitrum Oneは、DeFi(分散型金融)プロトコルやNFTでの利用に適しています。Arbitrum Novaは、ブロックチェーンゲームとソーシャルアプリでの利用に特化しています。

アービトラムのネイティブトークンはARBと呼ばれ、安全性協議会(Security Council)の機能、プロトコルのアップグレード、資金配分、選挙に影響を与える提案に投票することができます。

MNT(マントル)

名称シンボル
通貨単位
MNT
用途 Bybitでの取引手数料割引
イベント参加やキャンペーンで報酬
Bybitのサービスや商品で使用
価格 ¥178.02/MNT
2024年12月18日時点
時価総額 ¥599,051,117,008
2024年12月18日時点
取扱い 国内取引所は無し

MNT(マントル)は、イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして開発されたネイティブトークンです。マントルネットワークは、通常のブロックチェーンとは異なり、トランザクション処理、コンセンサス、決済などの機能はモジュール型(単一ブロックチェーン機能を分割し、複数のブロックチェーンやシステムを連携して1つのシステムを構築)のため、変化に柔軟に適応できるという特徴を持ってます。海外取引所「」から公式に支援を受けているプロジェクトでBybitが資金提供やエコシステムの成長支援し、MNTはBybitの公式トークンとなっています。

OP(オプティミズム)

名称シンボル
通貨単位
OP
用途 取引手数料の支払い
ガバナンス
インセンティブ
価格 ¥355.37/OP
2024年12月18日時点
時価総額 ¥480,691,413,965
2024年12月18日時点
取扱い bitbank

オプティミズムは、イーサリアム上にあるレイヤー2ブロックチェーンです。オプティミズムはイーサリアムメインネットの安全性を活用しており、楽観的ロールアップを使用してイーサリアムエコシステムを拡張するのに役立っています。つまり、取引はオプティミズム上ではトラストレスで処理され、最終的にイーサリアム上で保護されます。

STRK(スタークネット)

名称シンボル
通貨単位
STRK
用途 取引手数料の支払い
ガバナンス
ステーキング
インセンティブ
価格 ¥79.10/STRK
2024年12月20日時点
時価総額 ¥178,692,545,889
2024年12月20日時点
取扱い 国内取引所は無し

スタークネットは、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するために開発されたレイヤー2のソリューションです。Zero-Knowledge Rollup(ゼロ知識証明を応用して正当性をゼロ知識証明で保証しながら、最終的な結果だけをオンチェーンに記録)技術を活用し、トランザクションを効率化しながら、セキュリティと分散性を維持します。この技術により、多くの取引をオフチェーンで処理し、最終結果のみをイーサリアムに送信することでガス代を大幅に削減します。また、独自のプログラミング言語「Cairo」を使用して高性能なスマートコントラクトを実現。DeFiやNFTなど幅広い分野での応用が期待されており、将来のWeb3エコシステムの重要な構成要素とされています。

スタークネットのネイティブトークン「STRK」は、スタークネットエコシステム内でのガバナンスや手数料の支払い、ネットワークの運営に使用される暗号資産です。このトークンは、ネットワークの分散型ガバナンスを支える役割を持ち、トークン保有者はスタークネットのアップグレードやパラメーター調整などに投票権を行使できます。また、STRKはトランザクション手数料の支払いにも利用され、ネットワークを維持するための重要なインセンティブとなります。さらに、ノード運営者が報酬として受け取る仕組みも含まれており、セキュリティとパフォーマンス向上を支援します。STRKはスタークネットのエコシステム全体を支える基盤的な存在です。

まとめ

レイヤー1ありきのレイヤー2でした。レイヤー1だけでは処理が遅く容量も大きい部分を、レイヤー2が負担分を軽くするために協力して動く、といった感じでしょうか?
その中で利用されるのがレイヤー2のオリジナルトークンであり、ネットワーク運営や手数料支払いに使われ、その価値が市場で売買される、という仕組みです。

次回は他のトークンのカテゴリーを紹介したいと思います!

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